胃がムカムカする原因は
ストレス?
多くの方が、食べ過ぎや飲み過ぎによって、一度は胃のムカムカを経験されています。
「歳だから」と言われることもある通り、加齢によっても胃のムカムカが起こることもあります。それ以外にも、生活習慣の乱れ、ストレス、ピロリ菌の感染および食道・胃の病気なども、原因の1つとなります。
「食べ過ぎ・飲み過ぎで胃がムカムカしたけれど翌日には良くなった」という場合にはほとんど心配いりませんが、ムカムカ以外にも症状がある場合、ムカムカが何日も続くといった場合には、一度当院にご相談ください。
胃もたれの原因
加齢が原因の場合
加齢とともに、身体は少しずつ老化していきます。胃も例外ではなく、徐々にではありますが機能低下が進み、若い頃と比べると消化に時間がかかるようになります。蠕動運動も弱まり、胃の中に内容物が長く留まることで、胃のムカムカが生じるのです。
生活習慣の乱れが原因の場合
食べ過ぎや飲み過ぎ、脂っこいもの・刺激物の摂り過ぎ、寝る直前の食事、運動不足などの生活習慣の乱れは、胃のムカムカの原因としてもっともよく見られます。
生活習慣を改善することで、ムカムカを改善・予防できます。
ストレスが原因の場合
過度のストレスは、自律神経のバランスを乱し、胃の機能低下を招きます。その他、自律神経のバランスを乱すものとしては、睡眠不足、不規則な生活などが挙げられます。
ピロリ菌が原因の場合
ピロリ菌に感染すると、そのピロリ菌が作り出すアンモニアによって胃のムカムカ、胃痛などを引き起こすことがあります。
ピロリ菌に感染したままでいると、慢性胃炎や萎縮性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどのリスクが高まります。
ピロリ菌の検査を受けたことがない方は、ぜひ一度当院にご相談ください。陽性の場合には、除菌治療にも対応します。
胃がムカムカする症状を伴う
病気・疾患
逆流性食道炎
加齢による下部食道括約筋(食道と胃のあいだにあり、食べ物が通る時に開く筋肉)の緩み、肥満・不良姿勢による腹圧の上昇、食べ過ぎ・飲み過による胃酸過多などを原因として、胃液が逆流し、食道の粘膜を傷つける病気です。胃のムカムカ、ゲップ、呑酸、のどの痛み、早期飽満感などの症状を伴います。
食道がん
食道粘膜で発生するがんです。飲酒・喫煙を主要な原因としますが、逆流性食道炎の放置も食道がんのリスクを上昇させることが分かっています。のどの痛み・違和感、声枯れ、咳、食べ物がつまるといった症状に加え、胃のムカムカを伴うことがあります。ただし、初期にはほとんど自覚症状がありません。
急性胃炎・慢性胃炎
急性胃炎は、食べ過ぎや飲み過ぎ、刺激物の摂り過ぎ、ストレスなどを原因として発症します。胃のムカムカ、胃痛、吐き気・嘔吐、ゲップなどの症状を伴います。
慢性胃炎は、主にピロリ菌の感染を原因として発症します。急性胃炎と似た症状が見られますが、程度は弱めです。慢性胃炎を放置していると、胃がんの原因となる萎縮性胃炎へと進行することがあります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃潰瘍・十二指腸潰瘍ともに、ピロリ菌感染、非ステロイド性抗炎症薬の内服を主な原因として発症します。胃痛、胃のムカムカ、胸焼け、ゲップ、吐き気、食欲不振などの症状も共通します。放置していると潰瘍から出血し、吐血・下血を起こすことがあります。
胃がん
ピロリ菌の長期感染、塩分の摂り過ぎ、野菜・果物の摂取不足、お酒の飲み過ぎ、喫煙、ストレスなどを原因として発症します。特にピロリ菌は重大な原因であり、胃がん患者のほとんどに感染が認められます。胃痛、胃のムカムカ、胸焼け、食欲不振、体重減少、吐血、タール便などの症状が挙げられますが、初期はほとんど無症状です。
機能性ディスペプシア
胃カメラ検査などを行っても器質的な問題が見つからない一方で、胃痛、胃のムカムカ、胸焼け、ゲップ、吐き気などの胃の不快な症状を伴う病気です。ストレス、睡眠不足、不規則な生活などによって自律神経が乱れ、胃が機能低下を起こすことが原因と考えられます。
腸閉塞
腸が癒着したり、狭窄したりすることで、内容物が正しく通過できなくなった状態です。腹膜炎、過去の腹部手術などが主な原因として挙げられます。吐き気・嘔吐、お腹の張り、腹痛、便秘といった症状に加え、胃のムカムカが見られることがあります。
虫垂炎
ウイルスや細菌の感染によって、虫垂で炎症を起こす病気です。一般に「盲腸」とも呼ばれます。痛みがまずみぞおちあたりに現れ、その後半日~1日をかけて右下腹部へと移動するという特徴的な症状が見られます。その他、胃のムカムカ、食欲不振、発熱といった症状を伴います。
循環器疾患
心臓を取り巻く血管が細くなる「狭心症」、血管が閉塞する「心筋梗塞」でも、胃のムカムカ、吐き気といった症状が見られることがあります。その他の症状としては、胸の痛み、嘔吐、冷や汗などが挙げられます。特に心筋梗塞は命にかかわる病気であり、すぐに医療機関を受診する必要があります。
胃がむかむかする場合の
検査と診断
問診では、症状・服用中の薬・病歴・最近の食生活などについてお伺いします。
必要に応じて胃カメラ検査、腹部超音波検査などを行い、診断します。当院では、ピロリ菌検査、および陽性であった場合の除菌治療にも対応しております。
当院では、高性能・高精細の最新の内視鏡システム、嘔吐反射の起こりにくい経鼻内視鏡、痛みや不安を最小限に抑える鎮静剤をご用意しておりますので、初めての方でも安心して胃カメラ検査を受けていただけます。
診療はすべて、日本消化器内視鏡学会専門医である院長が担当します。
胃のむかつきの
対処法・治し方
原因疾患が見つかれば、その疾患の治療を行うことで、胃のむかつきなどの症状が改善します。
それ以外にも、以下のような治療を行います。食事指導・生活習慣指導、ピロリ菌の除菌治療は、症状・病気の再発防止や予防という観点からも重要です。
食事指導・生活習慣指導
食事においては、暴飲暴食、早食い、就寝前の食事、お酒の飲み過ぎなどを避けましょう。
規則正しい生活を送ること、ストレスを溜めないこと、十分な睡眠をとることも、自律神経のバランスを整えるという意味でとても有効です。自律神経のバランスが整うことで、胃腸をはじめとする全身の内臓の働きが改善されます。
ピロリ菌の除菌治療
ピロリ菌検査の結果が陽性だった場合には、お薬を使った除菌治療を行います。
ピロリ菌に感染したまま放置していると、慢性胃炎・萎縮性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどの病気のリスクが高まります。